プラネットアンノウンの戦略についてまとめてみる(惑星編)

現在開催中のボードゲームアリーナ(BGA)のアリーナモード シーズン22では惑星の選択ができるようになっており、選択した惑星によって特殊な制約や効果がついています。

本記事では、各惑星の特徴とゲーム中に気を付けると良い点、および個人的な好みも含めた評価などをまとめて説明します。

基本戦略

前回までの記事で詳細を解説しましたが、基本的には以下の戦略を取っています。

  • 非常に強力な発展カードがレベル3に存在するため、まずは黒トラックをレベル3まで進めることを目指す
  • 配置の自由度を上げるために灰レベル2、できれば隕石回収の効率化のために灰レベル3まで進める
  • 隕石回収および盤面を埋めることを優先するため、他トラックは赤 → 緑 → 青 の順に優先して進める

企業の選択が入っても基本はこの通りに進めますが、企業によっては特定の資源に特化した効果を持っているため、優先度についてはボードの効果を見ながら調整することになります。詳細は過去の記事を参照ください。

gumfum.hatenablog.com

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KSB-4156(通常の惑星)

スタンダードな惑星です。BGAで惑星の選択をする場合、この惑星ともう一つの惑星のどちらを使うか選択します。

まとめの項目でも記載しますが、基本的には共通目標および個人目標、選択可能な企業との兼ね合いで決めることになります。また、企業の能力を活かすために「水マスの数と配置」「ライフポッドの配置」も検討する対象に入ってくるかもしれません。

あるいは、「こちらの惑星の方が面白そう」という理由で決めてプレイするのも良いでしょう。プレイしている回数が他の惑星に比べて多く慣れているから、迷ったらこっちにしておくという考え方でも良いかと思います。

個人的な評価としては、特筆すべき特徴はないが、クセがなく使いやすい惑星といった感じです。

「惑星の中央2本の水平ラインに置かれるタイルは、片方の資源地形を枠の外側に置かなければならない」という制約がつきます。

片方の「資源地形」となっているところがポイントで、タイルの一部が外に出ていればOKというわけではないのが少し注意が必要です。2人戦の場合はスタートから3手目までのタイルの形が見えているため、3手目までのベストな配置を考えた時に制約を受けるか?で考えると良いでしょう。

水マスの数は通常惑星に比べて3つ多く、かつ分散しているので拾いやすいと言えます。ライフポッドに関しては4つが惑星の対角線上に配置されているため、全てを回収しようとすると通常惑星よりも多くの移動数を必要としてしまいます*1。そのためライフポッドが重要になる企業との相性はあまり良くないと言えます。

個人的な評価としては、ライフポッドを考慮しなくてよければ通常惑星と同等、あるいは配置制約がある分だけ少し下といった感じです。

ケルベロス

小さな惑星が3つ繋がったような配置で、小惑星を全て埋めるごとに2点が獲得できます。その代わり、通常惑星と異なり1列で3点獲得できるラインがありません。

形状が特殊な分、外周として扱われるマス数が多いのが特徴です。共通目標に「外周の〇〇資源が多い」があった場合は積極的に狙うと良いでしょう。また、スタート位置の選択肢もある程度多くなります。個人的には小惑星が3つとも埋まり切らない状況を防ぐため、左下の惑星の上下いずれかの辺からスタートして少なくとも2つの小惑星が埋まるように進めていくことが多いです。

小惑星が繋がっている部分でしかローバーが移動できないため、隕石の回収には気を使う必要があります。回収が間に合わず惑星の点数が伸び切らずに負けるパターンも多いため、企業の効果でローバーを資源間でワープさせるなどの効果は積極的に使いましょう。

また、通常惑星に比べて小惑星内でのタイル配置では自由度が少し狭まるため、個人目標として「3x3 もしくは 2x5 の〇〇地形を作る」を選ぶのは少し厳しいと考えます。また「〇〇資源を6つ繋げた地形を作る」の場合にも、どのように繋げて行くかは初期の段階である程度考えておく必要があるでしょう。

個人的な評価としては、目標次第では積極的に選んでも良いといった感じです。

カリュブディス

最初のタイルは中央の4マスのいずれかから始めるという制約が付きます。

惑星の制約の影響を受けるのが初手のみであり、それ以降は通常通りプレイ可能なため影響はほぼないと考えてよいでしょう。 ライフポッド回収が前提となる企業の場合には、ローバーの初期配置が中央になるのは助かる場合があるかもしれません。

盤面を埋めていく際は端に向かってタイルを伸ばしていく形になるため、端の方に空きマスが残らないように気を払う必要はありますが、 それほど考える要素が増えるわけではないのでプレイには影響なしと言えるかと思います。

個人的な評価としては、通常惑星と使用感がほぼ変わらないため好みで選んでOKといった感じです。

ガイア

初期状態で惑星上に8つの都市が配置されており、タイルで覆われていない都市からは2点を獲得できます。

最初から相手よりも点数が多いのは良いですが、都市にタイルを置くのを回避していくと確実に縦と横の列が揃わなくなります。 また、長期戦になった場合は相手の盤面やトラックによる点数が伸びてくるため、都市によるアドバンテージの点数(16点)は少々心許ないと言えます。

そのため都市の点数をアドバンテージとして活かしたい場合は、相手の点数が伸びてくる前に早期終了するのが勝ちパターンとなります。早期終了したい場合は盤面に穴が出来がちなので、バイオマスチップをトラック以外から獲得できる効果を持つ企業とは相性が良いと考えます。

一方で、都市を埋めることによる失点(-2点)よりも縦と横の列が揃うことの点数(4点)が大きいため、惑星をきっちり埋めていく方針を取る場合は通常の惑星と使用感としては変わらないことになります。

個人的な評価としては、企業次第では積極的に選んでもOK、そうでなければ通常惑星と変わらないような感じです。

K-273

見た目通り、通常の惑星と大地と氷のマス数が逆転したようなボードとなっています。また、大地と氷の両方にまたがるようなタイル配置はできません。

言わずもがな青トラックからの最大点数が大きい企業(オアシス有限会社)との相性が抜群ですので、この組み合わせの場合はノータイムで取ってしまっても良いでしょう。

また、惑星からの点数を伸ばしつつバイオマスチップの余計な消費を避けるため、大地部分と同じ形のタイルが取れる場合は優先して大地部分を埋めるのが推奨となります。 大地と氷の両方にまたがるようなタイル配置ができない制約のため、個人目標として「3x3 もしくは 2x5 の〇〇地形を作る」を選ぶのは少々厳しいように思います。

個人的な評価としては、個人目標によっては避ける必要がありますが、惑星を埋めることを主眼とするプレイであれば積極的に取っていっても良いように思います。

カアックス

惑星上にローバーが移動できないマスが存在します。

私の基本戦略ではライフポッド回収の優先度は低く、タイルが配置されていないマスにローバーを動かす必要がなければ惑星の制約は無視できます。 反対に、ライフポッドの回収が前提となる企業(ジャンプドライブ、コスモス株式会社)との相性は少々悪いと言えます。

盤面が埋まっていくゲーム終盤に行くについて制約が減ってくる。恩恵を受けられる場面が減っていく点も少々微妙に感じるポイントではあります。

個人的な評価としては、企業によっては相性が悪いため避ける必要がありますが、そうでなければ通常惑星と使用感が変わらないため好みで選んでOKといった感じです。

空隙

惑星に複数の穴が開いており、穴を覆うようなタイル配置はできません。縦と横の列が揃っているかの判定では穴のマスは埋まっているものと判定されます。

この惑星のみタイル配置可能なマス数が94マスであり、他のボードより2マス少なくなっています。 ただ、形状が特殊なため埋めきるのはかなり難しいです。また、3点の列がない代わりに2点の列が増えており、1列分埋められなかった場合に獲得できなくなる点数が比較的多いのも難点と言えます。

惑星からの点数を伸ばしたい場合は、基本的に獲得したい資源よりもタイルの形状を優先して選んでいく必要があります。いくつか特定のタイルでないとバイオマスチップ必須となってしまう個所もあり、特に中段左側の外周と穴に囲まれた部分は、4マス以上のバッチではO型でないときっちり埋めることができません。

個人目標として「3x3 もしくは 2x5 の〇〇地形を作る」および「〇〇資源を6つ繋げた地形を作る」を達成するのは非常に難しいため、個人目標の選択肢によっては即却下となります。

個人的な評価としては選択するのはかなり厳しいですが、企業による効果でバイオマスチップが獲得できそうな場合などに選んでみると面白いかもしれません。

虚無

通常惑星の内側と外側が入れ替わったような形状をしています。初見は見た目が怖いです。

ケルベロス同様、外周として扱われるマス数が多いので共通目標が「外周の〇〇資源が多い」の場合には有効な選択と言えます。 一方で、個人目標としての「3x3 もしくは 2x5 の〇〇地形を作る」はスペースの都合によりほぼ達成不可能です。

中央両端の幅が1マスしかない部分を意識する必要があり、I型やS型のタイルが配置できる場合は優先的に埋めておくと良いでしょう。 ローバーを移動させる際にもボトルネックになってくるため、例えばローバーが2台の場合は惑星の上半分と下半分に1台ずつ配置するなど、隕石の回収にも気を配る必要があります。

氷マスの数は36マスと他惑星に比べて多いですが、端に3x3で固まっているので半分以上は取れない可能性が高く、通常惑星と同様におまけ程度と考えておくのが良いです。 また、バイオマスチップに頼らざるを得ない場面が比較的多くなるため「バイオマスチップをゲーム終了時に配置できる」効果があるとよりスムーズにプレイができます。

個人的には好きな惑星であり、惑星を埋めることを主眼に置いたプレイをする、かつ個人目標など他にネックとなるものがない場合には選択しています。

パジトノフ

タイルを盤面端から「スライド」して配置する制約が付きます。

要するに窪みもしくは穴となる形を作れなければ良いので、端から盤面を埋めて行くようなプレイングをしていれば特に制約を感じにくいです。 バイオマスチップが企業の効果で手に入る場合は、気にせず埋めてしまってバイオマスチップで補完するような進め方もできます。

地味な効果としては、氷マスの数が通常惑星に比べて7つ多く、かつ分散しているので思いのほか拾いやすいです。 また、タイルの種類による制限ではないため通常惑星と同等に個人目標の選択の自由度が高いと言えます。

個人的な評価としては、そこまでタイル配置の制約を感じることはない上に氷マスが多いことから積極的に選んでもよさそうに思います。

ペルセポネ

惑星が4分割されており、それぞれの領域には特定の資源を配置することができない制約が付きます。

特定の「色のタイル」ではなく「資源アイコン」を配置できなくなることがポイントです。 特に惑星の上半分と右半分の組合せが絶妙で、黒+黄色のタイルや青+黄色のタイルしか選べない場合には配置に苦慮するような場面が出てきます*2

氷マスの数は通常惑星に比べて6つ多いですが、右下の領域には水資源を配置ができない制約があることを忘れがちで恩恵を受けられない場合も多いように感じます。 また、特定資源の置き方に制約が付くので個人目標として「3x3 もしくは 2x5 の〇〇地形を作る」および「〇〇資源を6つ繋げた地形を作る」が選びにくくなるのも少々難点です。

個人的な評価としては、タイル配置の制約に比べて恩恵が少なく感じるため、基本的には選んでいません。

ペトラ

惑星上に電気のラインが描かれており、エネルギー地形と同等に扱うことができます。

効果を受けるためには、エネルギー資源のタイル拾う必要がある&電気のライン上に欲しい資源があることが条件になりますが、 そのような配置を維持しながら盤面を埋めていくことは難しく、全体として「タイミングが良ければ欲しい資源が使える」程度に留まりがちのように感じます。

また、氷マスが存在しないため青トラックを進める場合は必ず水資源を配置するのみのターンが発生してしまう*3点、 デザイン上盤面が埋まっていくゲーム終盤に行くについて恩恵を受けられる場面が減っていく点も少々微妙に感じるポイントではあります。

個人的な評価としては、戦略的に恩恵を受けることができないように感じるため、基本的には選んでいません。

タルタロス

惑星中央に裂け目が描かれており、裂け目を覆うようなタイル配置ができない、ローバーは裂け目を横切って移動できないという制約が付きます。

右半分と左半分をそれぞれ別惑星として埋めていくようなイメージになりますが、隕石の回収もそれぞれの半分で完結させる必要がある点がかなり厳しい制約となるように思います。

ローバーの数が多い企業やローバーがワープできる効果を持つ企業なら多少は楽になりますが、それでも通常惑星と比較した際に氷マスが使いやすいわけではない点、 ライフポッドの回収がしやすいような配置ではない点など、制約に比べて受けられる恩恵が釣り合っていないように感じます。

個人的な評価としては、通常惑星と比べて制約が大きいわりに恩恵が少ないため、基本的には選んでいません。

まとめ

各惑星について詳細に書いてきましたが、個人的な好みも含めて順位をつけると以下のようになりました。

  • 積極的に選ぶ:ケルベロス、虚無、パジトノフ
  • 企業による:カフュブディス、K-273
  • 通常惑星と同等:嵐、ガイア、カアックス、空隙
  • 基本的にに選ばない:ペルセポネ、ペトラ、タルタロス

基本的には通常惑星と比較した際の制約と恩恵の大きさで評価していますが、ゲームですので「面白そう」「一度使ってみたい」といった楽しさ優先で決めてプレイするのも良いと思います。

この記事を書いている時点でレーティング1位だった頃より勝率が下がってきており、正直どこまで説得力があるかは微妙なところではありますが、プレイする際の参考になりますと幸いです。

*1:通常惑星の場合、1つのライフポッドを起点として円状にローバーを移動させて回収するのが最も移動数が少なくて済むとの考えに基づきます。

*2:どうやってもタイルが配置できない場面にはまだ遭遇したことはないですが、理論上はあり得そうに思われます。その場合は、ルール上そのターンでゲーム終了となりそうです

*3:発展カードでタイル配置ができる場合を除く