情報処理技術者試験の午前問題が過去問とどれぐらい重複しているのか調べてみた

情報処理技術者試験を受験したことがある人にとっては、午前のマークシート問題で「過去問と全く同じ問題が出ている」経験をしたことがある人は多いのではないかと思う。

これが実際にはどのぐらいの頻度で起きるものなのかを、直近に実施された試験問題と過去問を比較して調べてみた。

情報処理安全確保支援士の午前II問題で調査してみた

直近に行われた令和5年春季の情報処理安全確保支援士試験*1の午前II試験と、過去10年(2013年〜2022年)のセキュリティスペシャリスト試験、および情報処理安全確保支援士試験の午前II問題で、重複している問題を調べてみると以下のようになった。

*がついているものについては、全く同じ問題文ではない*2ものの、問われている内容が同じであったものを示す。

設問 過去問
問1 2019春 問9*
問2 2021秋 問2
問3 2021秋 問4*
問4 2021春 問3, 2019春 問4, 2017秋 問4, 2016春 問5, 2014秋 問2*
問5 2017秋 問6
問6 2017秋 問10, 2014秋 問4*
問11 2016秋 問10, 2013秋 問6
問14 2021秋 問15
問15 2019秋 問12, 2018春 問12, 2014秋 問15*, 2013春 問16*
問16 2021春 問14, 2019春 問14, 2017春 問15
問17 2019秋 問17, 2018春 問17, 2016秋 問17, 2013秋 問15*
問18 2017秋 問19*
問21 2017春 問21

今回調べた範囲では実に 13/25 問が過去問と重複しており、これらの設問だけで約半分の点数が確保できそうであることが分かった。また、複数回出題されているものも見受けられ、それだけ重要な項目として位置付けられていると推測できる。

また、過年度の試験においても他にも過去に何度も出題されている問題があり*3、傾向としては用語の定義を問われるものが多いことから、確実に押さえておく必要がありそうである。

  • 2022秋 問4: DoS 攻撃の一つである Smurf 攻撃の特徴はどれか。
    • 2021春 問4, 2019春 問6, 2017秋 問7, 2016春 問7, 2014秋 問12, 2013春 問14
  • 2022秋 問14: SMTP-AUTH の特徴はどれか。
    • 2020秋 問16, 2018秋 問14, 2016秋 問16*, 2015春 問16*
  • 2022春 問10: CRYPTREC の主な活動内容はどれか。
    • 2020秋 問8, 2016秋 問8*, 2014秋 問8*, 2013春 問11*
  • 2021秋 問13: テンペスト攻撃を説明したものはどれか。
    • 2018春 問13, 2015秋 問14, 2014春 問11
  • 2021秋 問8: X.509 における CRL(Cerificate Revocation List)に関する記述のうち,適切なものはどれか。
    • 2018春 問8*, 2016秋 問7*, 2015春 問6*,

まとめ

調べてみたところ、想像以上に過去問と全く同じ出題が何度もされていることが分かった。そのため、午前の対策として過去問を解くことで基礎知識を固めておくことがかなり効果的であることが分かった。

当然ながら、今後の試験については内容や傾向が変わる可能性も十分に考えられるので、あくまでも参考程度の情報にはなるが、過去問を数年分解くというのはかなり対策として有効なものであると言えるのではないかと思う。今後受験する方の参考になれば幸い。

*1:正確には「情報処理技術者試験」には含まれず、「情報処理安全確保支援士試験」という別枠扱いになるそうであるが、改称前のセキュリティスペシャリスト試験も含めて調べているので本記事では同列として扱っている

*2:説明文の言い回しが変わっているもののほか、「デジタル庁」の記述の追加や、ディジタル証明書→デジタル証明書のような表記修正、計算に必要な転送速度などの数値の修正などが含まれる

*3:他にも数問あったが記載は省略している