情報処理技術者試験を受験したことがある人にとっては、午前のマークシート問題で「過去問と全く同じ問題が出ている」経験をしたことがある人は多いのではないかと思う。
これが実際にはどのぐらいの頻度で起きるものなのかを、直近に実施された試験問題と過去問を比較して調べてみる。
以前は情報処理安全確保支援士の過去問を調べてみたが、今回はデータベーススペシャリスト試験の過去問を調べてみる。
調べた結果
直近に行われた令和5年(2023年)秋季のデータベーススペシャリスト試験の午前II試験と、過去14年(2009年〜2022年)のデータベーススペシャリスト試験の午前II問題で、重複している問題を調べてみると以下のようになった。なお、データベーススペシャリスト試験は平成31年(2019年)までは春季、令和2年(2020年)からは秋季の実施になっているが、試験自体は年1回である。
設問 | 過去問 |
---|---|
問1 | 2021秋 問1 |
問3 | 2014春 問1 |
問6 | 2014春 問4 |
問8 | 2010春 問9 |
問11 | 2015春 問9, 2013春 問12 |
問12 | 2021秋 問13, 2015春 問13, 2010春 問15 |
問16 | 2018春 問17 |
問20 | 2021秋 問19 |
今回調べた範囲では 8/25 問が過去問と重複していた。今回は14回分、前回は20回分の過去問との比較のため*1一概には言えないが、前回調べた情報処理安全確保支援士試験に比べて重複率は低くなっていた。
データベーススペシャリスト試験では単純に用語を問う設問が少なく、SQLの組み立てなどや集合演算などの理解を問う設問が出てくるため、 単純に過去問と全く同じではない設定で問題を出しやすい*2という特徴があるのではないかと思う。
ただし、例年の出題の流れはほぼ固定化されており、全25問を設問順に大まかに4つに分けると以下の流れで配置されているようである。データベースに限らない出題範囲を除けば、過去問との重複率はより高くなると言える*3。
- 知識を問う問題
- SQLと集合演算を扱う問題
- 知識を問う問題
- データベースに限らない出題範囲の問題
参考までに2022秋の重複率を調べてみると 11/25 で、若干であるが高くなっている。2年分を見ただけのため傾向までは読み取れないが、今後の試験では新作の問題が増えていく可能性もあるので要注意である。
設問 | 過去問 |
---|---|
問1 | 2020秋 問2 |
問2 | 2011春 問1 |
問3 | 2017春 問4, 2012春 問5 |
問5 | 2018春 問4, 2010春 問8* |
問8 | 2020秋 問8, 2018春 問5 |
問10 | 2019春 問12, 2017春 問12, 2009春 問8 |
問11 | 2018春 問9, 2014春 問9 |
問12 | 2020秋 問12, 2018春 問10, 2014春 問10, 2011春 問11 |
問13 | 2013春 問17 |
問16 | 2019春 問19 |
問19 | 2015春 問20 |
まとめ
情報処理安全確保支援士試験に比べ、過去問と全く同じ出題は少なかった。試験内容として単純に用語の暗記で対応できるものが少ないため、単純に過去問を覚えることは試験対策として有効性は低そうと言えるが、出題の傾向や設問の流れはあまり変化していないため、雰囲気を把握するために過去問を複数年解いておくのは効果があるのではないかと思う。
当然ながら、今後の試験については内容や傾向が変わる可能性も十分に考えられるので、あくまでも参考程度の情報にはなるが、過去問を数年分解くというのはかなり対策として有効なものであると言えるのではないかと思う。今後受験する方の参考になれば幸い。